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山陽新聞 押し紙裁判 準備書面(3)

「押し紙」とは、大資本である新聞社が 圧倒的劣位にある新聞販売店に対し、 実際には購読者がいない新聞を押しつけて、 これに相当する新聞原価を支払わせることをいう。
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2017/04/25
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2009/11/12
19:34
山陽新聞 押し紙裁判 準備書面(3)

平成20年(ワ)第943号 損害賠償事件
 
原 告 原 渕 茂 浩
 
被 告 株式会社山陽新聞社ほか2名
 平成20年10月27日
 
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
        
                  被告ら3名訴訟代理人 
弁 護 士  香 山 忠 志
 
準 備 書 面 ()
 
  原告が倒産したのは、読者管理・集金管理・新規顧客の営業努力ができていなかったからであり、ごまかしが効かなくなったことが原因である。すなわち原告の営業実態は以下のとおりである。
1 原告は平成12年5月に営業を始めたが、当初は張り切っていた模様である。ところがある程度軌道に乗ってから、原告は営業努力をしなくなった。新規顧客の開拓努力をしない、ゴルフに熱中して仕事をしない、ほとんど従業員まかせで自らは動こうとしないなどの苦情を耳にするようになった。
2 目標数の合意についても、原告からクレームがついたことはなかった。但し平成16年度の下期に行われた目標数の合意にあたり、岡山市東古松5丁目所在のJR社宅の取り壊しが予定されており、「90世帯が移転するため、目標数を減らして欲しい。」との要望が原告から出たが、翌平成17年2月にはJR社宅の跡地に、マンション「サーパス医大南」(86戸)ができるため、山陽新聞販売の赤木営業部長は原告に理解を求め、部数の維持を現状のままとすることを了承してもらったことがある。原告はこれに納得し、現状維持の目標数を合意し、その後も「5日数」による仕訳日報表において目標数通りの注文をしている。更に、平成16年から10月にかけては目標数に1部プラスして注文をしている。
3(1) IT社会の進展による購読者減は山陽新聞の場合、そんなに大きくはない。むしろ購読者減少の主たる原因は原告の読者管理・集金管理の懈怠と原告の営業努力が不足していたことである。
(2) 解約の申し出をした読者の領収書発行を止めるのを忘れていたり、口座振替読者の引き落とし中止の手続きを忘れていたりして、読者から苦情があり返金したりしている。また、留守止めになっている読者を配達員へ指示しないため、そうした者へも配達を続けポストに新聞があふれ、そのために怒った購読者が購読中止を申し出たこともあった。(3) 集金すればもらえる読者に何年も集金に行っていない。被告岡山西販売が岡輝販売センターを引き継いで後、配達員が普段配達している購読者方と読者管理台帳の購読者を比べながら現地を1軒1軒歩いてまわったところ、配達しながら読者台帳にも載っていない読者が50軒、読者には名前が掲載されているが、領収書を発行していない読者が100軒あり、いずれも新聞配達だけして、一切集金がなされていなかった。その150軒については、後に被告岡山西販売の社員が読者に事情を説明し、ご理解していただき改めて購読契約をしていただいた読者が120軒にのぼった。
(4) 更に、領収書を発行させながら、故意にその領収書を抜き取り集金員へ渡していない領収書(乙20の1)や名宛人として「原渕」と記載された領収書(以下、原渕名義領収書という)が多数存在していた(乙20の2)。これは原告が岡輝販売センターの業務を放棄して行方不明になり被告岡山西販売において緊急対応し、その後業務を引き継いだが、同販売センターの大林事務員から事情を聞き、任意に提出してもらったことで判明したのである。(乙19)。おそらく原告が、こうした操作を繰り返していたのは、実売部数を多く見せかけるためであろう。しかし、実際には購読中止により配達していなかったり、実際には購読しているが、何らかの個人的なつながりで購読料の集金をしていなかったりということが原因であろうと推測する。この領収書を発行しながら抜き取って現実には集金していない金額は以下のとおりである。
  平成15年度 648枚 695万8974円
  (うち原渕名義領収書 24枚 505万4846円)
  平成16年度 576枚 676万6750円
  (うち原渕名義領収書 24枚 509万4696円)
  平成17年度 515枚 660万6470円
  (うち原渕名義領収書 24枚 509万4696円)
  平成18年度 607枚 689万4844円
  (うち原渕名義領収書 24枚 509万4696円)
  平成19年度 50枚 57万3376円
  (うち原渕名義領収書  2枚 42万4558円)
 
   以上の金額は、結局のところ集金できない金額なので原告の負担としなければならない金額である。自招の損害である。
(5) 後に述べる仕訳日報表の数値の記載からも原告の読者台帳の杠撰さがあきらかである。仕訳日報表上の注文部数の数値は原告の自筆である。毎月5日数の仕訳日報表を販売会社において保管しているが、なかなか仕訳日報表を送信してこないため、柳生久美子氏が催促すると原告が1日数の仕訳日報表の日付の○月1日の1の数字を消して5と記入して送信してきたり、原告が5日数を送信してこないため柳生氏が注文部数の数値を原告に確認すると、「1日数と同じでよい。」という返事しか返らないため、柳生氏が1日の1に斜線を引き5と記載して、5日数の仕訳日報表として処理・保存した例も多数ある。(例えば、別紙「仕訳日報表について」の①参照。なお、②のように柳生氏が訂正せずに綴じたものもある)。購読者数はかならず出入りがあるため、5日数と1日数が同数ということは基本的にはありえない話である。仕訳日報表の数値の縦計の検算合計と縦計の合計欄記載の数値が違う、横計合計欄記載の数値が違うということがしばしば存在していた(例えば、別紙「仕訳日報表について」④)。原告は前月の仕訳日報表を翌月の分の仕訳日報表としてそのまま使ったー数値は全て同じ、月の数値が異なるものも多数存在する(例えば、別紙「仕訳日報表について」③)。原告の管轄範囲は2区から18区まであるから各区の読者管理がきちんとできておれば、このようなことは発生しない。更に平成19年1月、2月には19区というものが突然現れて、数値が記載され、その分の区の数値は下がっている。しかし、現実には被告岡山西販売で調査したが、そうした区がなぜ出現しているのか、今でも分からない。原告に尋ねる他ない。
   参考までに乙15、16は他店の仕訳日報表の記載の仕方である。一体、真実の原告の実売部数は何部であったのだろうか。
(6) 原告は購読者が減少しても新規顧客の開拓をしない。新規顧客の開拓のために事前に日程を調整して販売会社から毎月セールススタッフや社員を派遣しても原告はセールススタッフを販売センターで2、3時間も待たせたのち、帰らせたり、あるいは、喫茶店でセールススタッフと時間をつぶして適当に拡張カードを書かせたり、セールススタッフにチラシの折込作業を手伝わせたりしており、原告は新規顧客の拡販の相談指導を目的とするセールススタッフの訪問を面倒くさがっていた節がある。こうした状況であり、新規顧客獲得は望むべくもない。
(7) 原告は減少の原因をIT社会に転嫁している。岡輝販売センターの管轄する地域の世帯数は平成12年5月(5521軒)から平成19年5月(5682)まで161軒増えている。そして、被告岡山西販売がその業務を引き継ぎ拡販に努めたところ、原渕所長失踪後、岡輝販売センターを引き継いだ岡輝支店の従業員は4ヶ月間で区域を完全に整備し、更に4ヶ月かけて全区域の拡張に歩いた結果、朝刊有代部数は、平成19年5月の1417部から平成20年8月現在1504部となり87部増えている(無代紙を含めると朝刊配達部数も平成19年3月の1511部から平成20年8月現在で1616部となり105部増えている。無代紙が増加することは、その購読者が新規契約してくれる端緒となるものである。)。
4(1) 例年、前年の10月頃に販売会社(会社分割前は山陽新聞販売、分割後は被告岡山西販売)は翌年度の毎月の目標数を原告も含むセンター長と協議し合意決定するが、目標数の決定について原告から特別に異論がでたことはない。原告との間で目標数の決定は例年スムーズに行われていた。
(2) 毎月の目標数が決まった後、毎月の取引部数は販売会社あての原告からの部数の注文によって行われる。具体的には上記のとおり、原告が毎月の仕訳日報表(5日付けの仕訳日報表が確定数の注文となる)を自ら手書きしファックスで販売会社に送信してくるのである。仕訳日報表の合計欄の数値は原告の自筆によるものである。この数値は目標数と一致しているか、あるいは一部多い数値である。プラス1の増紙作戦期間中については、毎月の取引部数が毎月の目標数より1部でも多いならば、月額奨励金1万円を取得できるからでる。(乙17)。
  こうして原告が得た拡販奨励金は(平成14年度までは省略した)以下のとおりである。
   平成15年度 21万2400円(その他の奨励金も含む)
   平成16年度  4万円
   平成17年度  1万円
   平成18年度 12万円
   である。
(3) また、折込チラシの広告料も取引部数、したがって、目標部数に連動しているため、取引部数も目標数も引き下げなかったのである。原告の取得した折込チラシの広告料は以下のとおりである。
   平成15年度 2134万8610円
   平成16年度 2183万7031円
   平成17年度 2178万9395円
   平成18年度 2169万8266円
   平成19年度1、2月度(平成18年度12月分を含む)
             740万2494円
(4) 原告は、奨励金と折込チラシの広告料に期待していたのである。
   これが原告が目標数も取引部数も下げなかった理由であると考えられる。
(5) 被告岡山西販売は平成18年12月分の請求書(乙11の2)を送ったところ、平成18年12月19日付けで原告から突然、「納金延期の御願い」が提出された。事情を聞くと、集金遅れ(購読料の回収遅れ)ということであり、12月22日午後には必ず納金するとのことであった(乙11の3)。しかし、期日が来ても98万3221円の請求金額が納金されず、この請求額について、平成19年1月24日に原告から預かっていた信認金と相殺することで合した(乙11の4)。被告岡山西販売が引き継いでから分かったことであるが、原告は配達料、集金料の支払いもたびたび遅れ、やむなく集金人は集金をした中から自分の手数料を控除して残金を原告に渡すなどしていたと集金人が証言している。
5  以上に述べたとおり、原告は管轄区域において、IT社会の進展による影響が全くないとはいわないが、購読者減少、それに伴う収入の減少の原因は、主として原告の怠慢により読者管理・集金管理・新規開拓ができていなかったことによると考えられる。それを今になって、原告は、原告が損害を受けたのは押し紙が原因であると他に責任を転嫁するのは許されないことである。
 
 
 
  
平成20年(ワ)第943号 損害賠償請求事件
原 告 原 渕 茂 浩
被 告 株式会社山陽新聞社ほか2名
2009年1月13日
 
準備書面()
 
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
 
原告訴訟代理人
 弁護士 位 田   浩
 
本準備書面は、被告らの平成20年10月27日付準備書面(2)に対する認否・反論を行うものである。なお、同書面の冒頭部分の主張は争う。
第1 上記被告ら準備書面(2)第1に対する認否・反論
 1 第1の1について
   山陽新聞の今販売センター長の遠部氏の紹介により原告が鈴木氏らと面談し、岡輝販売センターにおける新聞販売の委託を受けることになったこと、原告がその直前まで毎日新聞社との間で販売契約を結び毎日新聞藤原販売所をしていとことは認める。同販売所で購読者を大幅に減らして毎日新聞社に多額の損害を与えて契約を解除されたとの点は否認し、その余りは不知。
2 第1の2について
  おおむね認める。
3 第1の3について
  原告が開店当初山陽新聞販売からの送り部数(ただし、サービスを除く)を実売したこと、平成18年11月分の新聞原価の支払いができない事態になるまで約束どおり支払いをしてきたこと、同月分の新聞原価については信認金を充当する旨の合意をしたこと、原告が平成19年3月12日に置手紙をして失踪したこと、原告が被告岡山西販売から同月20日付通知書により同月13日をもって新聞販売委託契約を解除する旨の通知を受けたことは認めるが、その余りは否認する。
   開店当初は山陽新聞販売が実売部数を供給していたから完売できていたにすぎない。また、押し紙のせいで新聞原価を支払えないため未払い残が残っている販売センターは他にもあった。
   原告は、山陽新聞販売が決定した目標数について「できない」「減らして欲しい」とたびたび申し出ていた。しかし、山陽新聞はこれに応じなかった。
   原告の集金管理や読者管理がずさんな状況にあったことはなく、多年にわたり虚偽の実売報告をしたこともない。
4 第1の4について
(1) 同項(1)について
   被告らは、山陽新聞販売(被告岡山東販売)及び被告岡山西販売ら販売会社と原告ら販売センター(販売店)とは共存共栄のパートナーであり、販売会社が販売センターより優位的地位にあるはずがないと主張し、その論拠として、①販売会社は販売センターに販売業務の一切を委ねていること、②基本的に販売センター区域内では販売会社による購読勧誘はしない方針であること、③販売センターが購読者を増やせば販売会社の利益につながり、購読者を失えば販売会社の損失になること④両者間の販売委託契約の期間は1年間であり、販売センターに利益がなければ契約を更新しなければよいことをあげている。
   しかし、被告らの主張は、販売会社と販売センターとの新聞取引の実際に即しておらず、失当というほかないものである。
ア  上記①及び②については、販売会社の優位性を否定するものではない。原告ら販売センター(販売店)が販売委託契約に基づき購読者に対して個別配達による販売や集金を行い、購読の勧誘をするのは当然である。しかし、実際の読者管理は、被告山陽新聞社の関連子会社である株式会社山陽計算センターがしており、被告らは同計算センターから提供される読者一覧表をいつでも確認することができる状態にある。
   原告と山陽新聞販売との契約上も、販売センターは販売会社の支持する帳簿書類を作成・常備し、販売会社が必要とするときは提示しなければならない。したがって、販売センターへの押し紙の部数も常に把握できていたのである。また、購読者への新聞原価を決めるのは被告らであり、原告が決めることはできない。
  購読者の勧誘については、被告らが各販売センターへセールスを派遣し行っている。上記契約の内容(乙7、乙8)をみても、ほとんどが原告の義務と山陽新聞販売の権限について定められている。新聞販売委託契約が片務契約と呼ばれるゆえんである。
イ  上記③については、事実に反する。販売会社は、販売センターの購読者の増減にかかわらず、販売センターへの送り部数を増やせばそれで利益が確保されるからである。それゆえ、山陽新聞販売(被告岡山東販売)らは、原告の岡輝販売センターで購読者が減少してきたにもかかわらず、原告に対する送り部数をほとんど減らさず、逆に増やして押し紙を続けてきたのである。
ウ  上記④については、優位的地位を濫用する典型的な主張である。原告は、山陽新聞販売との契約に基づき、多額の信認金を預けて、販売店の経営をしてきた。儲けがなければ辞めればよいという簡単なものではない。原告においては、被告らの強いた押し紙による損失がなければ、問題なく経営を続けることができたのである。それゆえ、原告は担当者に押し紙を減らすように求めながら経営を続けてきた。しかし、被告らは多数の押し紙によってもたらされる自らの利益を失いたくないため、この減紙の要求を拒み、その優位的地位を利用して原告に対する押し紙を続けてきた。
   したがって、「販売会社が販売センターと共存共栄のパートナーである」などという被告の主張は、全くの虚構というほかない。
(2) 同項(2)について
   被告らの主張する事実のうち、原告が岡輝販売センターの開業にあたって山陽新聞販売に対して信認金470万円を支払ったこと、販売センター長会議が開かれていたこと、年賀式や創立記念日式典への出席を求められたこと、新築マンションが出来たとき販売会社の担当者が拡張に来ることがあること、補助金よる親睦旅行や拡張用景品・セールス拡張料の半額補助があったこと、ゴルフコンペが開催されていたことは認めるが、その余りは否認ないし争う。
   販売センター長会議は、被告らの販売政策を原告ら販売店主に知らしめる場である。それゆえ、この場には、被告山陽新聞社の販売担当者も出席する。原告が幹事の一人になったのは持ち回りで順番がまわってきたからにすぎない。被告山陽新聞社の創立記念式典などに販売店主を招いたり、わずかな補助金などを出したりすることも、被告らが販売店主を支配するための道具である。
   なお、拡張の応援については、原告の場合ほとんど応援らしいものはなかった。
   被告らの主張する事項は、被告らが原告ら販売店主をコントロールするため、おためごかしに行っているのである。それらのために被告らが負担するコストは、被告らが原告ら販売店主から吸い上げる押し紙の新聞原価からすれば、微々たるものにすぎない。「共存共栄のパートナー」の根拠となるものでは全くない。

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